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光ポンピング磁力計 QZFM Gen-3は、低磁場環境下において非常に感度の高い光ポンピング磁力計モジュールです。 センサーヘッドは、常温で作動し液体ヘリウムを必要としません。またレーザー、ファイバーなどの部品は温度管理のための特殊設計をしており、コンパクトで使いやすいデザインとなっております。QZFMは校正を自動で行い、2軸あるいは3軸で測定できます。 また、小型のモジュールはマウス一つで簡単に操作でき、すべての機能を網羅するように設計されています。
フィールド感度 | 2軸タイプ<15fT以下/√Hz 3-100 Hz band |
---|---|
3軸タイプ<23fT以下/√Hz 3-100 Hz band | |
ダイナミックレンジ | ±5nT |
測定軸 | 2軸タイプ/3軸タイプ |
スタンドオフ | <6.5mm(先端からセル中心まで) |
校 正 | Internal reference(automated) |
信号出力 | アナログ、USB |
寸 法 | 12.4×16.6×24.4mm(センサー部)/3.1×11.0×16.5cm(装置部) |
消費電力 | 5W(0.7 W センサー部) |
ケーブル長 | 6.5m(標準) |
原子種 | ルビジウム |
※2軸タイプと3軸タイプは、別製品です。ご購入時にどちらかをご選択ください。
下記のQZFMのノイズフロアは、3層のミューメタル磁界とフェライト層の内部で計測しました。このノイズトレースには、両方のシングル軸及び2軸の測定が含まれています。
構成製品
センサー、コントロール装置部、電源、ケーブル、ソフトウェア
使用条件
QZFM専用のヘッドキャップは販売していますか?
どのように使用しますか?
以下実際の構成となります。
デモ機のレンタルは可能ですか?
価格提示後、借用書サインいただければ2~3週間までの貸し出しは対応いたします。
使用条件は環境磁場、50nT以下ですのでシールドルームが必須です。ご注意ください。
マスターモジュールとスレイブモジュールとは何ですか?
2個以上のセンサを稼働させる際に、1つのモジュールをマスターモジュールとして設定し、残りはスレイブモジュールとなります。
マスターモジュールは、モジュレーション信号をスレイブモジュールに送信します。
図1: レーザダイオード①は、アルカリ原子の共鳴周波数に同調する光を生成する。光ビームはコリメートされ、アルカリ原子の蒸気を含むガラスセル②を通過するように進む。透過光ビームは、フォトダイオード③に向かう。
QuSpinゼロ磁場磁力計(QZFM, QuSpin Zero-Field Magnetometer)は、単一レーザビームによるゼロ磁場共鳴が基本となる。QZFMの基本的な構成を図1に示す。精密に同調された半導体レーザ①からの光は、ルビジウム原子②を含むガラス蒸気セルを通過し、光検出器③で捕捉される。バックグラウンド磁場がゼロに等しいとき、ルビジウム原子はほぼ透明になる。光路に垂直な方向の磁場を印加すると、ルビジウム原子はより多くの光を吸収する。光検出器は、この透過度の変化を感知し、蒸気セルを透過した光に比例する電流を生成する。このようにして、磁気信号は電気信号に変換され、ゼロ磁場磁力計を構成する。
ゼロ磁場(ZF)共鳴の概念 [Dupont Roc, 1969] を説明するために、磁力計が絶対ゼロ磁場環境にあると仮定する。光ビームに垂直な方向に磁場を印加し、印加した磁場の振幅を正から負の値に掃引させると、ルビジウム原子の透過度が変化する際に透過度が最大になるのは、原子がゼロに極めて近い磁場であるときとなる。印加磁場の関数として光検出器の出力を見ると、出力はローレンツ曲線の形状となることがわかる。このローレンツ曲線の出力は、ZF共振(図2参照)と呼ばれる磁力計の応答である。その代表する幅(半値全幅、FWHM)は、QZFMでは約30nTである。
磁場値は、ローレンツのピークからの偏差によって与えられる。この偏差を測定する簡単な方法は、ロックイン検出によって得ることができるローレンツ曲線の微分係数を確認することである。ここでは、内部コイルを用いて約1kHzの小さな振動磁場(変調磁場と呼ぶ)を印加する。変調周波数を基準とする位相検波型ロックインアンプを用いて、光検出器出力を復調し、分散曲線と呼ばれる反対称曲線を生成する(図2参照)。分散曲線は、ゼロ磁場で最大勾配となり、磁力計の出力としての役割を担う。
図2: ゼロ磁場(ZF)共鳴は、蒸気セルを通る光ビームに垂直な方向に磁場が正の値から負の値に走査されるときの光検出器の出力である。ZF共鳴の典型的な半値全幅(FWHM)は30nTである。ロックインアンプで復調された出力(エラー信号とも呼ばれる)は、非対称ローレンツ曲線の形状を与える。
磁力計の感度軸は、(光ビームに垂直な平面上に投影された)変調場の方向によって定義される。(光ビームに垂直な)2つの直交軸に対する磁力計の感度を同時に最大化するため、2つの別々の直交コイルを使用して2つの別々の変調磁場を印加する。
いくつかの光ポンピング磁力計(OPM, Optically Pumped Magnetometer) が互いに近接して配置されるマルチチャネルシステムでは、隣接するセンサーからの干渉を回避するために、すべてのセンサーを共通の駆動信号で変調する。「マスター」に指定された電子モジュールが変調信号を生成し、それを「スレーブ」として指定された他の全ての電子モジュールに分配する。同じ変調駆動信号でセンサーを動作させると、エイリアシング効果が解消されるが、問題が1つ残る。それは、隣接するセンサーからの変調磁場の重ね合わせが、蒸気セルが受ける正味の変調磁場の有効場の方向をわずかに変化させ、それによって磁力計の感度軸の方向を変化させる恐れがあることである。QuSpin社は、このいわゆる「クロストーク」効果を軽減するための解決策を開発し、大規模マルチチャネルシステムに実装している。
ゼロ磁場光ポンピング磁力計(ZF−OPM) は、非常に感度が高く、動作のためにゼロ磁場環境を必要とするので、これらのセンサーを動作させるために磁気的に遮蔽された環境が必要となる。シールドルーム(MSR)は完全ではなく、一般的にいくらかの残留場(数十ナノテスラ[nT])が内部に存在する。これらの残留磁界により、背景の磁場を全体的にオフセットしてゼロ化できる大型コイルをMSRに装備することがユーザーに求められる。しかし、これは必ずしも現実的ではない。それに代わるものとして、我々は3軸直交磁気コイルをセンサーヘッド内で組み合わせ、各OPMの蒸気セルの周囲の磁場を局所的にゼロにすることを可能にした。この磁場ゼロ化コイルは、50nTまでの残留磁場を補正でき、プロセスは完全に自動化されているため数秒しかかからない。複数のセンサーが近接して動作しているとき、磁場ゼロ化プロセスは全てのセンサーに対して同時に実行され、各センサーに加わる磁場を可能な限りゼロにすることで、全てのセンサーからの合計磁場がなくなるようにする。磁場ゼロ化プロセスは、OPMによって印加されるバックグラウンド磁場が著しく変化するたびに、またはセンサー配置が変化するたびに繰り返されるものとする。
我々のZF−OPMの帯域幅は約150Hzであり、システムの物理的性質によって制限されている。OPMの周波数応答は、150Hzでロールオフする1次ローパスフィルタのように振る舞う。さらに我々は、周波数500Hzを超える残留応答を除去する6次ハードウェアデジタルフィルタを用いている。帯域幅を広げた場合にはその代わりに感度が落ちる。磁力計応答の非補償型の線形性(印加磁場振幅の関数としての出力電圧振幅)は、ゼロ磁場付近のエラー信号の非線形性から影響を受ける(例えば、1nTの磁場振幅は、線形性から1%の偏差を引き起こす可能性がある)。
センサーの性能を最適化するために、蒸気セルを約150℃に加熱して蒸気密度を増加させる。これにより、セル近傍のセンサーハウジングの温度はわずかに上昇する。
Dupont-Roc, J., Haroche, S. & Cohen-Tannoudji, C., “Detection of very weak magnetic fields (10-9 gauss) by Rb zero-field level crossing resonances”, Phys. Lett., A 28, 638–639 (1969)
Ultra-sensitive magnetic microscopy with an optically pumped magnetometer, Scientific Reports, 2016
バイオメディカル分野への応用のために開発された第一世代ゼロ磁場光ポンピング磁力計の動作と結果について説明します。
Neuro-1は、脳磁図(MEG)などの高チャンネル生体磁気用に設計された、最先端の統合型OPMセンサーシステムです。
このオールインワンソリューションは、QZFMセンサー、制御電子機器、DAQ、電源を統合しています。
Neuro-1(N1)の重要な進歩は、センサー制御電子機器の小型化です。
そのコンパクトなサイズにより、N1の電子機器は、ユーザーが身につける小さなバックパックの中に入れることができます。
N1のデータ収集システム(DAQ)は、128以上のセンサー(384チャンネル)からデータを取得でき、同期式の外部アナログおよびデジタル入出力を内蔵しています。APIにより、Labview、Matlab、Pythonなどのサードパーティ製ソフトウェアを使用して、N1とのデータ収集や通信が可能です。
N1では、個々のQZFMのECU(エレクトロニクスコントローラーユニット)のサイズが、SDカードサイズに縮小されました。
N1 ECUの出力はすべてデジタルで、マザーボード上に任意の数のECUを組み合わせが可能です。搭載できるECUの数は、カスタマイズやアップグレードできます。
マザーボードからのデータは、イーサネットケーブルを介してDAQシステムに送られ、データは外部入力からのデータと同期して合成されます。DAQは結合されたデータを別のイーサネット接続を介してPCに送信します。
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