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超解像イメージングのための革新的なツール 「ナノルーラー」とは?

製品カテゴリー 超解像顕微鏡 解像度評価ツール ナノルーラー

回折限界 超えた解像度の評価:ナノルーラー

回折限界 を打破した超解像技術がいくつも発明されたことで、蛍光顕微鏡法における空間的分解能は目覚ましい進歩を遂げました。しかしながら、信頼のおけるツールがなかったことで、これらの新規技術が正しいものなのかを検査するのは困難でした。新たに開発されたナノ構造「ナノルーラー」は、マーク間の距離が正確に定められ、色素分子をナノメートルレベルの正確さで配置することができ、またほぼ均一に製造することができます。

ナノルーラーが誕生した背景

21世紀最初の10年間は、光学顕微鏡の目覚ましい向上が見られた時期でした。光学的な回折限界は1873年にエルンスト・アッベにより想定されましたが、最高6ナノメートルの空間分解能を有する超解像技術が複数発明されたことでこの限界が打破されました。向上した空間分解能を達成するために超解像顕微鏡のユーザーが追う負担、つまりデータ解析だけでなく、セットアップの複雑さや試料の準備といった作業の複雑さは日増しに高まっています。このため、顕微鏡のハード的なスペックだけではこれら新技術の空間分解能を計算することは、もはや不可能となっています。
空間分解能は、原則的にあらゆる顕微鏡の最も重要な性能ですので、ユーザー、メーカー、開発者にとって空間分解能を求めるのことは極めて重要となります。従来は、微小管アクチンフィラメントといった細胞構造をイメージングすることで空間分解能の検証および測定が行われていました。しかしこれらの試料では、いくつかの不利な点が示されています。確認したい大きさのサンプルがなかったり、標識濃度や色素間の距離均一性が低いといった点です。これらの問題点により、空間解像度を検査するための信頼できるサンプルは、ありません。

DNAナノテクノロジーに基づいたナノルーラー

上述の全ての要求を満たす検査試料は、「DNA折り紙」技術により作成された「ナノルーラー」です。DNAオリガミを端的に述べますと、DNA折り紙構造はナノスケールの分子作業台として考えることができ、色素分子、蛍光タンパクあるいは一本鎖DNAに結合できあらゆる物質を配置することができます。DNA折り紙構造は高度に均一に製造することができ、自己集合を行います。そのため、ユビキタスに利用可能な試料として使用することができます。DNA折り紙に基づいた、ナノルーラーは、図1でご覧いただけます。 通常、いくつかの有機色素分子から成る蛍光マークが各DNA折り紙構造上に2個から3個ずつ配置されます。これら蛍光マーク間の距離は、6~360nmの範囲で自由に調整することができます。蛍光マークごとの色素分子の数は10~20の範囲にあり、一般に使用されている蛍光色素であれば基本的にナノルーラーに取り付けることができます。ナノルーラーはすぐに使える状態で製造することができ、DNA折り紙構造をμm2あたり約1個の濃度でカバースリップ上に固定します。つまり通常用いられる視野において数百個のナノルーラーが観測されます。これにより蛍光マーク間の距離を測定することができ、顕微鏡の空間分解能を検査し、測定の統計的エラーを計算できるようになります。同一構造が大量にあるため、超解像イメージ内のナノルーラーを自動的に検出する効率的なアルゴリズムを使用でき、蛍光マーク間の距離を測定できるようになります(図2)。すぐに使える状態のナノルーラー試料は冷蔵庫内で数か月間保存することができ、日常的に空間分解能を測定できるようになります。図1にあるように、DNA折り紙構造に基づいたナノルーラーは従来の共焦点顕微鏡だけでなく、STED、SIMや、あるいはdSTORM、PALM、GSDIMまたはDNA-PAINTなどの局在化法などすべての超解像技術に最適化されています。研究室においてナノルーラーは、イメージングを最適化したり、超解像の原理を講義したり、顕微鏡が問題なく稼働しているかを判定したり、あるいはどの設定が研究の要求に最も適しているかを決定したりするのに使用されます。顕微鏡メーカーは、新規技術や新製品の開発だけでなく、自社製品が技術的な仕様や要求される空間分解能を満たしていることを実証するためにナノルーラーを用いています。

輝度標準

色素分子の位置および蛍光マークの位置に加え、DNA折り紙構造上および回折限界1スポット内での色素分子の数は非常に正確です。さらにDNA折り紙構造上の色素分子間の距離を制御可能であり、蛍光強度を損ねる可能性のある消光のような、望ましくない光物理学的影響を防ぐことができます。蛍光強度がDNA折り紙構造上の色素分子の数と線形に対応することが示されています。この特性により、蛍光試料中の蛍光色素分子の絶対量を測定するため、色素標識したDNA折り紙構造を輝度標準として使用することができるようになっています。

結論

超解像蛍光顕微鏡の新手法により、空間分解能が10倍ほど向上しています。しかし、生体試料の準備、顕微鏡の操作、データ解析には大変な労力がかかり、正確な空間分解能を計算することはもはや不可能となっています。DNA折り紙に基づいたナノルーラーは、蛍光マーク間の距離が一定であり、標準的なカバースリップ上で大量に固定できるという、理想的な検査試料です。ナノルーラーにより、従来の共焦点顕微鏡だけでなく、現代の超解像顕微鏡の空間的分解能を測定することができます。さらにDNA折り紙技術により、回折限界点1スポット内での色素分子の数が高度に均一である輝度標準を作成することができます。これらの輝度標準は、とりわけ生体試料内で蛍光分子の絶対量を測定するために使用することができます。

 

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