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USE CASE 変位センサによる木材のヘルスモニタリング

森林資源に恵まれた日本では、木造建築物が数多く建設されてきました。今でも新築建築物の大半は木造であり、木造建築技術の開発が継続的に進められています。また、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが各方面で進められるなかで、建築業界では、再生可能かつ加工などに必要なエネルギーも低い木材の利用が改めて注目を集めている状況です。

一方で、木造建築物の耐久性は鉄骨やコンクリートを使った建築物よりもやや低い傾向にあると言われています。木造建築物を長く保つためには、耐久性の高い建て方をするとともに、定期的な点検・診断を行って適切なタイミングでメンテナンスをしなければなりません。しかし、人手不足に悩まされている建築業界では、人の手作業による点検は大きな手間となります。そこで期待されているのが、各種センサを用いた木材のヘルスモニタリング技術です。

変位センサDSシリーズは、木材のヘルスモニタリングに適したセンサです。ゴム製であらゆる方向に曲げることができ、過酷な環境変化に耐えられるため、木造建築物だけでなく橋梁などのヘルスモニタリングにも用いられています。また、ほかのセンサのように特別な取り付け、保護、クリーニングを必要としないため、モニタリングにかかるコストを削減できる点が特長です。

木造建築物のオーナーや管理者は、湿度・温度・荷重などの条件が変化したときの木材の伸縮や振動を測定するために、変位センサDSシリーズを使用します。木材が古くなったり、大きな環境変化を受けたりすると、変形が大きくなり、やがてはひび割れなどの構造的な欠陥が発生して安全性が損なわれてしまうためです。木材のヘルスモニタリングでは、センサが継続的に取得した情報をもとに木材の状態や特性を把握し、欠陥の発生を事前に予測します。

早期発見による維持管理費の低減、および木造建築物の耐久性向上のために、今後の建築業界では変位センサによる木材のヘルスモニタリングが導入されていくでしょう。