一分子技法
一分子技法は、プロセスを分子レベルで調査・操作することを可能にします。この方法には、集合体ベースの方法(アンサンブル法)よりも優れた点が多くあります。例えば、後者の場合は、情報の多くが平均化プロセスで失われるので、分子パラメーターの特性評価において不十分な結果しか得られないことがよくあります。一方、一分子レベルの測定は、パラメーターの平均値だけでなく、その正確な分布を決定することができます。これによって、集合体の一般的な平均値では不鮮明な、異なるサブ集団を互いに分離することが可能となります。同様に、動力学に関する情報も、アンサンブル法の場合は多数の分子の平均値として得られますが、一分子法の場合は一分子レベルで得ることができます。次の図に原理を示します。蛍光色素のスペクトルをアンサンブル法で測定すると(a)、様々なバッファー条件における色素の輝度の違いに関する情報が得られますが、この結果を色素分子の動力学を解明することによって説明できるのは、一分子測定(bおよびc)だけです。
このような一分子レベルで得られた詳細な知見は、蛍光物質を輝度や安定性などの特定の特性について系統的に最適化するのに不可欠です。その結果を用いて、色素分子の動力学を決定することができます。
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