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昨今の技術発展により産業ロボットの活躍が目覚ましい時代になっています。多くの現場で活躍する産業ロボットですが、全ての作業を得意としているわけではありません。特に苦手としているのが、「ビンピッキング」です。今回は、ビンピッキングとはどのような作業なのか、さらにどのような用途・使い道があるのか詳しく解説していきます。
ビンピッキングとは、生産ラインの中でバラバラに置かれた部品の中から適切なものを選ぶ作業を指します。
産業ロボットの開発が進んできた現代、工場内のあらゆる部分が自動化されてきました。
しかし、進化を遂げてきた産業ロボットでもできることは限られています。
例えば箱の中に整えて置かれている部品を掴み、取り出す作業は得意です。
単純作業を得意とする産業ロボットでも、適切な部品を特定する作業は苦手としています。
ビンピッキングを産業ロボットが行うと、ピッキング対象の部品を見つけるとそのまま直進してしまい周りの部品を傷付けてしまうリスクや、部品を入れているカゴとぶつかってしまうリスクが発生します。
また、部品一つひとつをきちんと認識し、どこをどう掴んで持ち上げるかを瞬時に判断しなくてはいけないため、単純作業を得意とする産業ロボットに思考が必要なビンピッキングは難しいと言えるのです。
そのため、未だにビンピッキングは人間が行う仕事という認識になっています。
未だ多くの工場・倉庫ではビンピッキングを人手で担っていますが、既にビンピッキングを自動化させるための問題点や必要な要素は把握されており、日本でもビンピッキングを行えるロボットが開発されてきています。
ビンピッキングの作業が行えるロボットを開発するためには、いくつかの要素を踏まえる必要があります。
まず必要となってくるのが、3次元センサーが備わったスキャナです。
どれが部品なのかを判断するためには高性能の3Dスキャナが必要となります。
次にスキャナで撮影した画像を取り込み、解析するためのツールが挙げられます。
さらに、どこを持てばしっかりと掴めるか位置設定の機能、他の部品や箱にぶつからないよう繊細な動きができるグリッパー、部品のピックアップから配置までのスムーズな経路を見つけるために軌道演算・経路計画を立てるソフトウェアなどが必要です。
ビンピッキングを産業ロボットが自動的に行えるようになるためには、これらの要素を最低限取り入れなくてはなりません。
また、いくら全ての要素を取り入れたとしても実際の現場で活用できるかどうかという点も課題となります。
ビンピッキングが行える産業ロボットの開発が確立されれば、様々な産業・現場での活躍が予想できます。
特に活躍が期待されているのは、物流の現場です。
現代はネットが普及し、ECサイトを使って何でも購入できる時代になりました。
物流の需要は非常に高まっており、それに伴ってIT化・自動化もかなり進んできています。
例えば商品を梱包する専用機器が登場したり、配送仕分けする際には自動ソーターなどが用いられたりしています。
しかし、それでもピッキング作業は未だに手作業で行われているところがほとんどです。
ビンピッキングが導入されれば物流工程の中でほとんどが自動化され、人手不足の問題も解消していくでしょう。
物流業界以外だと、製造業なら出来上がった部品をビンピッキングマシンで次の供給先に一つずつ移動できます。
Nerian vision technologies
ステレオカメラ SceneScan Pro
ビンピッキングの成功要素として高性能の3次元スキャナが必要とご紹介してきましたが、ナノシードの『ステレオカメラ SceneScan Pro』はビンピッキングマシンのスキャナとして重要な役割を果たせます。
SceneScan ProはFPGA(プログラム可能な集積回路)を利用し、高速処理を可能としています。また、SGM方式を採用しており、高精度と計算効率の両方を兼ね備えたステレオカメラです。
距離に応じて色が変化し、ほぼリアルタイムで部品・商品までの距離が計測されるため、ビンピッキングマシンにも利用しやすくなっています。
ビンピッキングマシンにステレオカメラを導入する利点は、距離の測定を瞬時に行えること、そして対象の部品や商品が持つ反射率に依存しないことなどが挙げられます。
特に、対象の部品や商品には電波・レーダー光を使っても反射せず、距離が掴めないものもありますが、ステレオカメラであれば対象物によって反応が変わることもなく、安定してあらゆる部品・商品のビンピッキングが可能となります。