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私たちは紫外線や赤外線といった電磁波を活用しながら暮らしていますが、それらの違いは「波長」にあります。本コラムでは、波長とは何かを改めて解説した上で、波長の種類や性質、波長を測定する分光器についてご紹介します。

本ページの構成

波長とは

波長は、波が空間を伝わるときの1周期分の長さのことです。次の図のように波には山と谷がありますが、「山と山」または「谷と谷」の間隔を波長といい、λ(ラムダ)と表します。λの単位はm(メートル)ですが、nm(ナノメートル)やμm(マイクロメートル)といった非常に小さい値であることが多いです。また、「山の高さ」や「谷の深さ」は振幅といいます。

私たちが住む地球上にはさまざまな電磁波が存在していますが、電磁波は波長の違いによって性質が変わります。たとえば「光」は電磁波の一種ですが、波長の違いによって性質が変わるため、紫外線・可視光線・赤外線といったように区別されています。

波長の種類と性質

電磁波は波長の短い順に、γ線・X線・紫外線・可視光線・赤外線・電波と大きく区別されています。

私たち人間の目で見ることのできる波長の範囲はおおよそ380nm〜780nmであり、これを可視光線と言います。また、可視光線の中で波長の短い光は紫色に、長い光は赤色に見えます。

各波長の性質や主な用途を以下の表で簡単にまとめていますので、ご確認ください。

名称 性質 主な用途
γ線 大きなエネルギーを持つため取り扱いに注意が必要 ガンマナイフ治療・滅菌
X線 透過性が高い レントゲン・CT・非破壊検査
紫外線 殺菌効果がある 殺菌・蛍光灯・ブラックライト
可視光線 人の目で見ることができる 照明・ディスプレイ・カメラ
赤外線 温熱効果があり、通信技術にも活用できる ヒーター・温度センサー・赤外線通信など
電波 遠くまで情報を送れる 通信・放送・レーダー

波長を識別する方法

光の波長は、分光器と呼ばれる専用の測定器を使うことで識別できます。分光器によって波長を識別し、それぞれの強度などを測定することで、物質の成分分析や品質評価を実施することが可能です。

私たちの身の回りの物質は光を吸収・反射・透過していますが、物質ごとに吸収する波長が異なります。そのため、物質に光を照射し、反射した光の波長とその強度を検出すれば、どのような成分が含まれているかを分析できるという仕組みです。

分光器は対応できる波長の範囲がそれぞれ決まっているため、用途に応じた分光器を選ぶ必要があります。たとえば赤外線の場合、780nm~2500nm(2.5μm)が近赤外線(NIR)、2.5μm~4μm程度が中赤外線(MIR)、4μm~1000μm程度が遠赤外線(FIR)と分かれており、測定したい波長の範囲に対応した分光器を選定しなければなりません。

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